根抵当権(ねていとうけん)とは、一定の範囲内の不特定の債権を極度額の範囲内において担保するために不動産上に設定された担保物権のことをいいます。(民法第398条の2第1項)これに対し、通常の抵当権は特定の債権を被担保債権とします。
根抵当権は特定の債権を担保するものではないため付従性(附従性)がなく、継続的な取引関係にある当事者間に生じる債権を担保することに向いています。
例えばB会社と取引のあるA銀行が、B会社に融資することによって生じる金銭債権に、担保権の設定を受けておきたいと考えたとします。その際、通常の抵当権の設定を受けた場合、被担保債権は特定の債権なので、新たな融資債権が生じた場合には、別の抵当権の設定を受けなければならなります。これでは抵当権を設定するための登記費用もばかにならないし、手間もかかります。また抵当不動産に後順位抵当権が設定されていた場合には、新たな抵当権は当該抵当権に劣後することになり、担保としての実効性にも乏しくなります。
この点、根抵当権であれば、根抵当権設定登記において、AB間の銀行取引によって生じるAの債権を被担保債権としておきさえすれば、極度額の範囲内で、全ての融資債権が根抵当権によって担保されるから、普通抵当権のような問題は生じません。
つまり、当初A銀行との取引で、自社不動産に極度額2000万円で根抵当権を設定して1000万円借入を行ったB会社が(借入①とします)、2年後にA銀行との間で別途1000万円の借入を行った場合(借入②とします)、根抵当権は、借入①のみならず借入②にも及ぶことになります。
そうすると、例えば、借入①から5年後に、借入①の残債が200万円になっており、この200万円をB会社が一括で弁済したとして、B会社がA銀行に根抵当権の抹消を求めたとしても、A銀行からは、当該根抵当権は借入②も担保していることを理由に、借入②の完済がない限り根抵当権の抹消を拒否されることになります。
 根抵当権を設定して借入を行った会社ないし個人は、根抵当権により担保される債権の範囲には気をつけなければなりませんね。
 
 
 

 以上、大阪の弁護士北畑瑞穂のブログでした。
みずほ法律事務所