今日、京都から大阪の私の事務所に車で移動中、名神高速道路の京都南インター付近でヒッチハイクをしている若者カップルを見かけたので、好奇心旺盛な私は彼らを乗せてあげることにしました。若者たちの目的地は広島ということなので、私は彼らを名神高速道路の吹田サービスエリアまで乗せてあげたのです。到着まで約25分程度の短い時間でしたが、楽しく話ができ、良いひとときを過ごせました。彼らが無事今日中に目的地の広島までたどり着けること、祈っています!

 と同時に、運転している時に、職業病といいますか、好意同乗の問題が頭をよぎりましたので、この「好意同乗」という概念について、簡単に説明したいと思います。

 好意同乗とは、交通事故を起こし、好意・無償で同乗させていた他人に損害を与えてしまった場合に、その運転者は通常の金額どおりの損害賠償をしなければならないのか、それとも減額が認められるのかという問題です。

 今日のように、私が自動車を運転していたところ、ヒッチハイクの若者たちを見かけたので、好意・無償で若者たちを同乗させてあげ、その後、若者たちを同乗させたまま交通事故を起こしてしまい、若者たちに怪我をさせてしまったとします。
 この場合、若者達は、運転者である私に対して損害賠償請求ができるのですが、私はあくまで好意及び無償で若者たちを同乗させてあげています。それにもかかわらず、通常の交通事故の場合と同じような金額の賠償責任を私に課すのが妥当なのかという疑問が生じます。

 そこで、このような好意同乗の場合には、それを理由として、損害賠償額を減額すべきではないのか、という問題が「好意同乗減額」と呼ばれる問題です。

 この好意同乗減額は、昭和の時代の裁判例では認める場合が多かったように思います。

 もっとも、現在では、好意同乗であるというだけで減額が認められるという例は少なくなり、同乗者(前記の例でいえば若者たち)に何らかの帰責性がある場合だけ,好意同乗減額を認めるというのが一般的になっています。
 同乗者の帰責性とは、たとえば、同乗者が運転を邪魔したというように、交通事故発生や損害の発生・拡大に関与またはその危険を増幅させたといえる場合や、運転者が無免許や薬物使用中であることを知りながら同乗した場合のように,交通事故発生や損害の発生・拡大が生じる蓋然性があることを分かっていながら同乗したといえる場合です。

 職業柄、今日の運転中にこのような問題が頭をよぎったので、若者たちを乗せている際には、楽しくおしゃべりしながらも普段以上に安全運転に徹したことは言うまでもありません。

 
 以上、大阪の弁護士北畑瑞穂のブログでした。
みずほ法律事務所