会社法は改正の多い法律ですので、弁護士の業務を行って行く上では、会社法改正のたびその内容を把握しておく必要があります。

 直近でも、平成26年6月27日公布され、平成27年5月1日から施行される会社法の改正がありますので、備忘的にブログに残しておきたいと思います。

〔改正の概容〕

1. 社外取締役を置いていない場合の理由の開示
   事業年度の末日において、監査役会設置会社(公開会社かつ大会社に限る)であって、株式につき有価証券報告書を提出し   
 なければならないもの(典型的には上場会社)が社外取締役を置いていない場合には、取締役は、当該事業年度に関する定時 
 株主総会において、社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならないものとされます(372条の2)。
   社外取締役を置くことが相当でない理由を考えることはなかなか困難ですし、企業経営者からすれば、頭をひねって「社外取
 締役を置くことが相当でない理由」を考えても、株主総会で株主に袋だたきにあう可能性が高いです。それならば、さっさと社外
 取締役を選任してしまう方が楽だということになるので、事実上、社外取締役の設置が義務付けられたと考えてよさそうです。

2. 監査等委員会設置会社制度
  新たな機関設計として、監査等委員会設置会社制度が導入されます。監査等委員は取締役で、その過半数は社外取締役で 
 ある必要があります(399条の2第2項、331条6項)。監査等委員である取締役とそれ以外の取締役は、選任や報酬決定におい
 て区別され(329条2項、361条2項)、任期も異なります(332条3項、4項)。監査等委員会及び各監査等委員の権限は、基本的
 には、指名委員会等設置会社(現行法の委員会設置会社)の監査委員会及び各監査委員の権限と同様ですが(399条の2以下
 参照)、それに加え、監査等委員である取締役以外の取締役の選解任等及び報酬について株主総会で意見を述べることができ
 るものとされています(342条の2第4、361条6項)。

3. 社外取締役及び社外監査役の要件
  社外取締役及び社外監査役(以下併せて、社外役員)の社外性の要件として、①親会社等又は兄弟会社の関係者でないこと
 及び②当該株式会社の関係者(重要な使用人を含む)の配偶者又は二親等内の親族でないことが追加されます。
  
  私が社外監査役をしている会社の関係者と私とは親戚関係にない赤の他人ですので、辞めさせられることはなさそうです。

4.そのほか、①会計監査人の選任等に関する議案の内容の決定につき、株主総会に提出する会計監査人の選解任等に関する 
 議案の内容は、監査役(監査役会設置会社にあっては、監査役会)が決定することとなること(344条)、②
 親会社の株主が、一定の要件の下で、子会社の役員等の責任を追及する制度(多重代表訴訟制度)が導入されること、③いわ
 ゆる内部統制システムの内容として、会社法自体に「株式会社及びその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保
 するための体制の整備」が定められたこと(348条3項4号、362条4項6号、416条1項1号ホ)、④M&Aに関する改正事項等、が
 改正点として挙げられます。
 
  弁護士は日々、業務を行うとともに、勉強も必要であることを痛感しますね。
 
  以上、大阪の弁護士北畑瑞穂のブログでした!
みずほ法律事務所