先日、家電量販チェーン大手「上新電機」の元部長が「不正競争防止法違反容疑」で逮捕されたというニュースが報道されました。
 被疑者は、同じ家電量販業界の大手「エディオン」に勤務していましたが、転職後、以前勤務していたエディオンの営業情報を盗んだとことが発覚。これまでの捜査で、エディオン社内にあるパソコンから、各店舗の広告計画や、営業データなどを盗んだことが分かっています。

 企業経営者の方々は、従業員が退職するに際して自社の営業秘密が持ち出され、その従業員が同業他社に転職してこの営業秘密を利用されてしまうことを常に危惧されていることと思います。

 仮に元従業員がこのような行為を行った場合、「営業秘密」の侵害行為に罰則を課している「不正競争防止法」違反として、元従業員を警察・検察に告訴することになるのでしょうが、その前提として、普段から「営業秘密」の管理が必要となりますので注意が必要です。

 では、この「営業秘密」とは、どのような情報をいうのでしょうか?

 「営業秘密」とは、不正競争防止法で定められた3つの要件〔①秘密管理性(秘密として管理されていること)、②有用性(有用な情報であること、例えば設計図、製造ノウハウ、顧客名簿、仕入先リスト、販売マニュアル、等)、③非公知性(公然と知られていないこと)〕を全て満たしている情報をいいます。
 
 営業秘密管理の具体的な例をあげると、以下のとおりとなります。
 
 まず、情報が記載・記録された媒体に対する管理方法として、①「極秘」等のシールを貼付する、②施錠可能な金庫等に施錠し保管、③持ち出しや複製を禁止する、④コンピューターの閲覧に関するパスワード、ユーザーIDを設定する、④営業秘密にアクセスできる者を指定する、等。

 また、人に対する管理方法の例として、①就業規則等に秘密保持の規定を設ける、②従業者等に対し、在職中・退職時に秘密保持契約や誓約書により秘密保持義務を課す、③定期的に行われる朝礼等の際に、随時、営業秘密の取扱いに関する注意喚起を行う、④従業員等に対し、秘密管理の重要性について定期的な教育を実施する、等

 以上のうち、私は、人に対する管理方法が重要だと考えます。従業員に対して、普段から「営業秘密を漏えいさせると、不正競争防止法違反で場合によっては逮捕されることもありうる。」と伝えていると、従業員に対して抑止力となり、営業秘密の漏洩が未然に防げますもんね。

 企業経営者の方々は、以上を踏まえて今一度自社の営業秘密の管理についてチェックされてはいかがでしょうか?
 
 以上、大阪の弁護士北畑瑞穂のブログでした。
 
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