先日26日、札幌ドームでのプロ野球の試合中、ファウルボールが直撃して失明した女性が球団を訴えた裁判の判決が出ました。
 この女性は、札幌ドームの1塁側内野席で観戦中、打者の打ったライナー性のファウルボールが直撃して失明等の傷害を負ったとして、4659万円余の損害賠償を求めたのに対し、札幌地方裁判所は、4195万円余の損害賠償請求を認容した、という判決でした。

 この判決の前に、3件ほど同様の裁判例がありましたが、この3件はすべて訴えた側(被害者側)が敗訴(請求棄却)という結果になっていますので、今回の裁判例は、観客に広い注意義務を課していた従来の裁判の流れを変えるものと言えそうです(もっとも、球団側が控訴する可能性はありますが、、、)。

 判決は、球団は試合観戦契約約款(ホームページで閲覧可能)にファウルボールへの注意喚起をしていること、チケット裏面にも注意喚起文言を記載していること、試合前・試合中に大型ビジョンでファウルボールへの注意喚起等をしていること、等は認められるが、これらのみでは観客の安全性確保には不十分としています。

 また、球団は、警笛を鳴らしていたとも主張しましたが、裁判所は、警笛を鳴らしても、ボールの所在を把握することは困難であり、警笛を鳴らした場合には即座に上半身を伏せるといった行動を周知しているような場合でなければ、警笛を鳴らしても速いライナー性のボールは回避できないとしています。

 このようにして、今回の判決では、重い怪我を負った被害者が金銭的な給付を受けることができたことは望ましいことです。

 だだ、プロ野球を球場で観戦する際には、観戦する側も、ファウルボールにより重い怪我を負う可能性を自覚した上で、投手の投球動作から打者の打撃に至り、ファウルボールが飛んでくる間、目をそらさずに観戦すること、万一打球を見失ったら、上半身を伏せるという行動を起こすこと、が必要なのでしょうね。

 また、子どもを野球観戦に連れて行く場合、上に述べた方法でファウルボールに注意させるとともに、応援する球団のヘルメットをかぶせてあげると、安全対策との一石二鳥になるのではないでしょうか?

 以上、大阪の弁護士北畑瑞穂のブログでした。
みずほ法律事務所