法律相談において、最も多い相談内容は「離婚問題」です。これから離婚の話をしようと考えておられる方、既に別居されている方、離婚することの合意は出来ているが財産分与の方法で現在話し合っているという方、相手方の夫(妻)から調停を起こされたという方など、「離婚問題」といっても様々な段階があり、その段階に特有の問題があります。

 ただ、どの段階にも共通していえることは、「離婚に向けた事前準備が充実していればいるほど、適切かつ有利な条件で離婚をすることができる」ということです。

 みなさん「離婚に向けた事前準備」といえば、「相手の浮気の証拠を残す」、「(DVであれば)暴力を受けた証拠を残す」といった「離婚原因の証拠化」をイメージされることが多いと思います。

 勿論、これは非常に重要な準備であることに間違いありません。

 しかし、この「離婚原因の証拠化」に匹敵する事前準備は「相手名義の財産の把握」です。

 具体的には預貯金の把握、返戻金が発生するような生命保険の有無の確認、相手の給与明細や住宅ローンの内容の把握等です。

 これらは、同居中であれば比較的容易に確認できるものの、いったん別居してしまえば、一転して内容把握が困難になります。  
 
 もちろん離婚調停の段階に至れば、調停手続きの中で相手に財産開示を求めることが出来ますが、事前に相手方名義預貯金の通帳の1頁目をコピーしておけば、スムースに財産分与手続きを進めることが出来ます。

 また、給与明細についても同様です。確かに通帳を見れば手取り額を把握することは可能です。しかし、複数の金融機関に分けて給与が支給される場合や、各種手当は現金支給であったりする場合も少なくなく、こういった項目の全てが記載されている給与明細をコピーしておくことは非常に有益なのです。これも、いったん別居してしまえば、一転して内容把握が困難になります。

 以上、今回は、離婚の話を切り出す前の事前準備について紹介させていただきました。

 次回は、「離婚自体の合意は出来ているけれど…」というテーマでお話させていただきます。

 以上、今回は大阪の弁護士土佐剛太が執筆いたしました!
みずほ法律事務所