先日、「フィリピンで13歳から14歳の少女らを含む1万2000人以上を買春していた横浜市内の中学校元校長が、児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で神奈川県警に逮捕された。」という報道がありました。

 この被疑事実自体、絶句するような内容なのですが、それはさておき、この報道によると、「日本人が外国で犯した犯罪に対して、日本の警察が被疑者を逮捕した。」とのことです。この報道に対し、「日本人が外国で罪を犯した場合、日本の警察に捕まるの?」と疑問を持たれた方も多いと思います。

 このように、日本人が外国で犯した犯罪を国外犯といいます。この国外犯に対して、日本の刑罰権が原則として及びませんが、例外的に刑法第3条で処罰の対象とされています。
 刑法第3条は、「この法律(刑法)は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。」と規定しており、「次に掲げる罪」とは、主なもので放火、私文書偽造、強制わいせつ、強姦、殺人、傷害、誘拐、名誉毀損、窃盗、強盗、詐欺、業務上横領、等が掲げられています。

 また、今回の報道では、被疑者は「児童買春・児童ポルノ禁止法違反」で逮捕されていますが、この「児童買春・児童ポルノ禁止法」も第10条において、国外犯を処罰する規定が設けられていますので、被疑者はこの規定に基づいて日本の警察に逮捕されたわけです。

 これに対し、例えば、現金を賭けるカジノは、日本国内で行えば賭博罪で処罰される行為ですが、マカオやラスベガスでは、現地の法律で合法とされ、かつさきほど述べた日本の刑法3条でも賭博罪の国外犯規定はないので、お咎めなし、ということになるのです。

 この刑法の国外犯規定、数十年前の司法試験の択一(マークシート)試験の過去問題ではよく目にしました。私も大昔に司法試験の刑法の勉強を始めた際に、いちばん最初に勉強した分野なので懐かしく思い、思わず今日のブログのテーマとさせていただきました。

 以上、大阪の弁護士北畑瑞穂のブログでした!
みずほ法律事務所