弁護士コラム

不貞行為を会社に連絡しない方がいい理由

不貞行為を会社に報告することで、解雇や退職勧奨、降格などの処分を取ってもらいたいと希望される方は多くいらっしゃいますが、一旦立ち止まって考えてみませんか。
というのも不倫が事実であっても、会社が当事者を処分するとは限らず、報告しても音沙汰なしということも十分にあり得るからです。
むしろ、脅迫や名誉毀損などで、あなたが反対に訴えられてしまうおそれもあります。

パートナーの不貞行為を会社に報告したら…?

会社によっては、社内不倫によって職場の秩序・風紀を乱す行動や業務に悪影響を及ぼす行動を起こした場合、懲戒処分の対象になる可能性はあります。一方、同じ職場の人との不倫でも職場以外でしか関係を持っていなかったり、他の従業員が不倫の事実も知らず影響もなかったりする場合には、会社に報告したところで何の処分も下されないことはあるでしょう。

不貞行為を会社に報告した場合は脅迫・名誉毀損に該当するおそれも

仮に不貞行為が事実だとしても、残念ながら会社が必ず処分を下してくれるとは限りません。それどころか度が過ぎると脅迫や名誉毀損などの罪に問われてしまうこともあります。
脅迫も名誉毀損も刑法によって罰則が定められており、最悪の場合にはあなた自身が逮捕されて罰則を受ける可能性すら出てきてしまいます。ですから不貞行為の会社への報告はできる限り慎重になり、極力他の方法によって解決を目指しましょう。

脅迫になり得る行為

脅迫罪とは、簡潔に説明すると相手を脅し恐怖を与える罪になります。たとえば、「退職しないと不貞行為を会社に報告する」など相手を脅して恐怖を与えたのであれば、脅迫罪に該当する可能性があります。

名誉毀損になり得る行為

不倫問題を解決するためには、弁護士などの第三者にも相談する機会は出てきますが、不特定多数に不貞行為の事実を広めすぎると、相手から名誉毀損として訴えられることもあります。例えば、不貞行為の事実を会社内の従業員に多く知らせたり、SNSで個人が特定できるような内容で知らせたりすることが当てはまります。

会社に報告するだけでも、不倫の事実を知らしめるきっかけには十分なり得ますので、名誉毀損の問題に発展することもあるので、むやみやたら第三者に報告することは厳禁です。